2006年頃から城ヶ島でソラスズメダイを採取し始めた、光の反射で空色に光る美しい魚だ。 そのため水槽に入れると黒ずんでしまうので熱帯魚屋さんではまず売られていることは無い。売られている青いスズメダイは大抵シリキスズメダイという実際に体色が青く尻ビレが黄色い魚だ、これも色鮮やかで美しいが、空色に輝くソラスズメダイの美しさには足元にも及ばない(私見ながら)。ちなみにソラスズメダイも尻ビレは黄色い。
ある程度の数のソラスズメダイを水槽に入れると、なぜか大半のソラスズメダイは海の中と同様に空色に輝き素晴らしく美しいのだ! 他のスズメダイは全てタイドプールで掬うがソラスズメはまずタイドプールで見かけることはなかったのでソラスズメダイが沢山集まっている岸辺を探しては柄の長いたも網を辛抱強く、執念で追いかけ回していると、やがて少しづつではあるが獲れるようになる。
ただ執念だけで追いかけ回してもダメだ、タイドプールのスズメダイを獲る時も同じだがスズメダイの動きを良く観察しているとスズメダイたちはしつこく追い回されるとやがて、大抵パニックを起こしたり、疲れて判断力が極めて落ちる瞬間がある、極端な例では逃れようとしたつもりで自らたも網に飛び込んでくる時もたまにあるのだ。ただしタイドプールと違い敵の逃げ場は無限、そう簡単には獲れない。
それでもスズメダイの習性の研究と熟練の賜物と漂着してくるソラスズメダイの増加と相まって年々水槽に入れられるスズメダイの数が増していった。 そして、2010年にはソラスズメダイの群泳が確認出来た、防水デジカメでムービも撮影した。
ところが翌年にはソラスズメダイが激減、わずか1,2匹獲れた程度だった、漂着する熱帯魚の数は殆んど黒潮の蛇行のせいで増減するらしいが、これほど極端に変わるものだろうか? 更に2012,13年とソラスズメダイの数は一夏に数匹程度しか確認出来ず、2014年には全く確認出来なかった。
他の種類のスズメダイも同様に2011年以降数が減り続け。水槽があまりにも寂しいので意思軟弱にもシリキスズメダイを2、3匹買ってきて水槽に入れることもあったが、やはり買ったものは何かが違う、心が癒される感じが得られないのだ。
こんなに長期間にわたって黒潮が沖の方に遠ざかり続けることがあるのだろうか?ネットでは2011年1月、2月頃に和歌山の方の海岸に凍死したソラスズメダイが沢山打ち上げられたという情報が2、3見られたが、次々と黒潮に乗って流されてくる死滅回遊魚(回遊しているのではなく流されて来るので漂着熱帯魚という表現の方が好きだ)なのであまり関係ないと思う。また、これも関係ないと思うが、たまたま東日本大地震以降減り続けている。
今年2016年の8月にやっと十数匹前後のソラスズメダがまとまって泳いでいるのを確認したが、ありふれたオヤビッチャ、カゴカキなどのスズメダイは相変わらずタイドプールでは2011年以前からは比較にならないほど少ないままだ。
スズメダイ採取の後は食べたい一心でアオリイカの陸ッパリが今までのお決まりコースだったが、最近はソラスズメも取れない、アオリイカもシャクッて、シャクッて、シャクリ続けてもなかなか釣れない、仕方ないので睡蓮の池のビオトープに入れる小魚獲りを機に池や川の淡水魚や小動物の観察、飼育を復活した。